扶養から外れる条件は年収5つの壁|2026年改正の税と社保を解説

扶養から外れる条件 2026年 年収の壁 早見表アイキャッチ

「扶養から外れるって、結局年収いくらから?」——同僚や後輩からこの質問を受けたことがある人は多いはずです。答えを一言で言うと、扶養から外れる条件は年収5つの壁で決まります。しかも2026年は税制改正の真っ只中で、「103万円の壁」の常識がすでに古くなっています。この記事では、2026年最新の税と社会保険の壁を早見表にまとめ、私が実際に同僚の奥さんへ説明した体験も交えながら、判断基準を整理します。

【結論】扶養から外れる条件は年収5つの壁で決まる

2026年(令和8年)に押さえるべき壁は次の5つです。税と社会保険の壁は別ものなので、それぞれ独立して判定されると理解してください。

2026年の基準(給与年収) 越えると何が起きる
住民税の壁 119万円超 本人に住民税がかかる
社会保険(106万円)の壁 106万円相当+週20時間以上等 勤務先の健康保険・厚生年金に加入
社会保険(130万円)の壁 130万円以上 配偶者の健康保険の扶養から外れる
配偶者控除の壁 136万円超 配偶者控除38万円が消える(配偶者特別控除に切替)
配偶者特別控除の壁 207万円超 配偶者特別控除が完全にゼロ

ポイントは「税の扶養」と「社保の扶養」はゴールが違うということ。税の扶養は世帯主の税金が減るかどうか、社保の扶養は配偶者本人の保険料負担がゼロで済むかどうかを判定するものです。両方をごちゃ混ぜにして「103万円さえ守ればいい」と考えると、社会保険料の請求で驚くことになります。

私自身はフリーランスWebライターで事業所得側の申告なので配偶者控除とは無縁ですが、夫の同僚の奥さんからパート収入について相談を受けた2024年秋、この5つの壁を全部並べて説明したことで「働き方の選択肢が初めて具体的に見えた」と言ってもらえました。数字は絶対に混ぜず、独立して扱うのが最短ルートです。

税金の壁:配偶者控除は年収136万円まで(2026年改正で拡大)

2026年(令和8年)分から、配偶者控除を満額(38万円)受けられる配偶者の給与年収は136万円以下に引き上げられました。長らく常識だった「103万円の壁」は、令和7年で123万円、令和8年で136万円と2年連続で拡大しています。基礎控除が62万円、給与所得控除が74万円(55万円+特例19万円)に引き上げられたことが理由です。

令和6年→令和7年→令和8年の3年で、税制の主要ラインは以下のように動きました。

  • 配偶者控除の年収基準:103万円以下 → 123万円以下 → 136万円以下(令和8年分)
  • 基礎控除(合計所得):48万円 → 58万円 → 62万円(令和8年分)
  • 給与所得控除の最低額:55万円 → 65万円 → 74万円(55万円+特例19万円)
  • 本人に所得税がかかる年収:103万円超 → 160万円超 → 178万円超(令和8・9年分特例)

年収136万円を1円でも超えると配偶者控除は消えますが、配偶者特別控除に切り替わるだけで即「控除ゼロ」にはなりません。年収169万円までは配偶者特別控除38万円が満額で残り、そこから段階的に減り、207万円超で完全にゼロになります。「136万円を1円でも超えたら世帯手取りが激減する」というのは誤解で、実務上は169万円までは税の扶養面ではほぼダメージがありません。

私が2024年秋に相談を受けたときはまだ旧基準(103万円・150万円)だったので、「103万円を超えても配偶者特別控除で段階減額されるだけだから、社保のほうを気にして」と伝えました。今なら「136万円と169万円」で説明が更新されます。制度は動くので、話題にする時期の基準を必ず確認してください。

ちなみに住民税は、配偶者ではなく本人の話で年収119万円超から課税されます(2026年収入分)。所得税より低いラインなので、「税金は一切払いたくない」なら119万円が本当のリミットです。住民税の仕組みは住民税は社会人2年目6月開始|年収300万円で月約9,783円でも解説しています。

私は2024年秋に同僚の奥さんへ「配偶者控除の壁は103万円」とメモ書きで説明していましたが、2026年3月の自分の確定申告(マネーフォワード+e-Tax、所要90分)で令和7年改正が反映されていて驚きました。基礎控除が48万→58万に、給与所得控除の最低額も55万→65万に増えていて、その場でメモを「新基準は136万円(令和8年分)」に上書きしました。制度は毎年動くので、話題にする年の1月に必ずアップデートを確認する習慣がついています。

社会保険の壁:106万円と130万円のどちらで外れる?

社会保険の壁は2種類あります。混乱しやすいので、まず判定順序を整理します。

2つの壁は「対象になる人」が違います。

  • 106万円の壁:従業員51人以上の勤務先で「週20時間以上・月収8.8万円以上・2ヶ月超の雇用見込み・学生でない」をすべて満たす人が対象。越えると勤務先の健康保険・厚生年金に加入し、保険料は会社と折半になります。
  • 130万円の壁:106万円の要件に当てはまらないパート・アルバイト全般が対象。見込み年収130万円以上で配偶者の健康保険の扶養から外れ、国民健康保険+国民年金を全額自己負担することになります。

106万円の壁は「小さな企業では対象外」だったため長年の抜け道でしたが、2026年10月に月額8.8万円以上の賃金要件が撤廃される予定です。撤廃後は週20時間以上働く人は年収に関係なく社会保険加入対象へと広がります。パート先が対象企業なら、106万円を超えた瞬間から社保加入となるので、月収でざっくり8.8万円(≒年収106万円)を意識するのが実務です。

130万円の壁は「配偶者の健康保険の扶養に入っている場合」に効いてきます。こちらも2026年から判定方法が変わり、2026年4月からは労働契約書に記載された基本給ベースで判定されるようになりました。一時的な残業で年収が130万円を超えても、契約年収が130万円未満なら扶養にとどまれます。「繁忙期に残業したら扶養から外れる」を心配して就業調整する必要が薄くなった、というのが大きな変化です。

社会保険の壁を越えて自分で保険に入る場合の負担イメージは以下のとおりです。厚生年金は会社と折半、国民年金+国保は全額自己負担なので、同じ「扶養を外れる」でも負担額が大きく違います。

加入形態 本人負担の月額目安 年額目安
勤務先の社会保険(月収11万円想定) 約16,000円 約19万円
国民健康保険+国民年金(東京都・年収130万円) 約24,000円 約29万円

同じ「年収130万円超え」でも、勤務先の社会保険に入れるかどうかで手取りが年10万円ほど変わります。106万円の壁を越えるのが結果的にお得になるケースが多いのはこのためです。国民年金の免除制度が使えるか気になる方は国民年金の免除条件は5種類|年67万円基準と2026年申請手順を、退職後に会社の健康保険を継続する選択肢は健康保険の任意継続メリット5つ|国保より得な3条件と保険料の差を参考にしてください。

私自身は2021年5月に会社員を辞めてフリーランスへ転向したとき、健康保険を「任意継続(月約2万4,000円)」か「国民健康保険」で3日間迷いました。年金事務所に相談したら前年所得290万円のせいで国民年金免除も対象外で、結局任意継続を満期2年続けて月2万4,000円×24ヶ月の負担。今回の記事を書きながら「もし夫の社保扶養に入れる収入水準だったら年約29万円が浮いていた」と初めて気づき、130万円ラインの重さを実感しました。パート勤務なら夫の社保に入る選択肢がある人は、それだけで年20〜30万円の家計改善になります。

「働き損」ゾーンは年収160万円前後で起きる

ここまでの壁を並べると、「越えた瞬間に世帯の手取りが下がる」いわゆる働き損ゾーンが見えてきます。2026年時点で最も注意すべきは年収130万円を少し超えたあたりです。

扶養の働き損ゾーン|年収130万〜160万円の間で手取りが凹むイメージグラフ
配偶者の年収 本人が負担する社保 世帯手取りへの影響
129万円 ゼロ(扶養内) 額面≒手取り
131万円 年約29万円(国保+国民年金) 手取りは約102万円まで縮小
150万円 年約30万円 手取り約120万円で129万円時代を下回る
160万円 年約31万円 手取り約129万円でようやく元の水準
180万円 年約33万円 手取り約147万円で明確にプラス

ざっくり言うと、扶養を外れる決断をするなら年収160万円以上を目標にしないと世帯手取りは増えないということ。中途半端に135〜150万円で働くと、社保負担で扶養時代より手取りが減る「働き損」に陥ります。逆に「130万円未満で調整する」か「思い切って160万円以上を狙う」か、二択で考えるのが実務的です。

ただし2026年10月以降は106万円の壁の賃金要件撤廃で、週20時間以上働く時点で社保加入となります。この場合は「106万円を超えて働くなら150万〜160万円まで一気に踏み込む」戦略が現実解になります。私が同僚の奥さんに伝えたのも「中途半端が一番損するので、年収の落としどころを先に決めて逆算しましょう」でした。

その奥さんは2024年秋の相談時、パートで月8万円(年96万円)+メルカリ月3万円ペースで働いていました。この記事の早見表を私自身が作りながら「今のペースは扶養内で安全だけど、時給1,200円のパートで週5日6時間まで増やしたら年収は約180万円になる。130万円壁を越えて160万円まで一気に伸ばすなら手取りは約129万円→147万円へ約18万円プラス」と試算して伝えたら、「フルタイム前提の踏み込みは今すぐは無理。130万円手前で維持する」と即断していました。ぼんやり不安に感じていた年収の壁も、具体的な数字を出すと1分で結論が出るのだなと感じた瞬間です。

私が同僚の奥さんに「扶養から外れるか」を説明した話

2024年秋、夫が職場の同僚から「うちの奥さんがメルカリで年40万円稼いでいるんだけど、扶養に影響ある?」と相談を受け、私に振ってきました。その奥さんは専業主婦で、給与収入はゼロ、メルカリ売上40万円は雑所得か事業所得の区分になります。

私はまず「給与の103万円(当時)とは別枠で考えて」と説明しました。メルカリなどの雑所得・事業所得は、経費を差し引いた所得ベースで判定します。当時の基準は合計所得48万円以下で配偶者控除の対象。仕入れや梱包費・送料などの経費を差し引いて所得が48万円以下に収まっていれば税の扶養は維持できる、というのが結論でした。

ここで注意したのが「売上と所得は違う」ということ。売上40万円でも、仕入れや資材で20万円使っていれば所得は20万円、雑所得20万円以下なら申告不要(副業側の20万円ルール)にもなります。「まず売上・経費を通帳とレシートから洗い出して、所得ベースの数字を出しましょう」と伝えたら、後日「10万円くらいの経費があった。所得は30万円だったので扶養も申告も大丈夫だった」と連絡があり、ホッとしていたのを覚えています。メルカリ売上の申告基準はメルカリ売上は確定申告いる?所得20万円超と48万円超の境界線で詳しく解説しています。

2026年基準に置き換えるなら、税の扶養(配偶者控除)は合計所得62万円以下が新基準です。給与だけなら136万円、雑所得ならざっくり62万円までなら控除は満額残ります。会社員兼副業の20万円ルールもセットで理解しておくと安心なので、副業側の判定は副業の確定申告は20万円超|会社員と無職で違う3つの境界線にまとめています。

この件で痛感したのは、扶養の話は「壁の数字」を丸暗記するより、「自分のケースで所得をどう計算するか」を理解するほうがずっと大事ということでした。給与だけの人と副業がある人、事業をしている人で見るべき数字も違うので、まずは自分がどの型に当てはまるかを確認してから壁と照合してください。

よくある質問

103万円の壁はもうなくなったんですか?

令和6年までの103万円は、令和7年分で123万円、令和8年(2026年)分で136万円に引き上げられました。実務では「103万円の壁」という言葉が残っていますが、金額としては役割を終えたと考えて差し支えありません。ただし住民税の壁は別で、2026年収入分は年収119万円超から住民税がかかります。

130万円をちょっとだけ超えてしまいそうです。扶養から外れますか?

2026年4月からは労働契約書に記載された年収見込みで判定されるようになったため、契約上の年収が130万円未満で一時的な残業で超えた程度なら扶養にとどまれます。心配な場合は勤務先経由で健康保険組合に事業主証明を出してもらうことで、最長2年間扶養継続できる救済措置(年収の壁・支援強化パッケージ)が使えます。

106万円の壁が2026年10月に撤廃されるとどうなりますか?

月額賃金8.8万円以上という要件がなくなり、週20時間以上働く人は年収に関係なく勤務先の社会保険加入対象になります。従業員51人以上等の他の要件は残るため、小さな会社のパートは引き続き130万円の壁が主戦場ですが、対象企業では実質「週20時間」が新しいラインです。

フリーランスや事業所得の場合は何万円で扶養から外れますか?

税の扶養は令和8年分から合計所得62万円以下が基準です。売上ではなく必要経費を差し引いた所得ベースで判定します。社会保険の扶養は年収130万円未満が原則ですが、事業所得の場合は健保組合ごとに「所得」「収入」の解釈が違うので、配偶者の勤務先の健康保険組合に確認するのが確実です。

働き損を避けるには、いくらを目標にすればいいですか?

2026年時点で扶養を外れる決断をするなら、世帯手取りが増える年収160万円以上を目標にしてください。130〜150万円ゾーンは社会保険料負担で扶養時代より手取りが減ります。それが難しければ年収129万円以下でしっかり抑えるのが安全策です。

まとめ:扶養から外れる判断チェックリスト

最後に、判断ポイントを目的別にまとめます。

  • 税の扶養を守りたい:給与年収136万円以下で配偶者控除満額。207万円以下なら配偶者特別控除がわずかでも残る
  • 社保の扶養を守りたい:労働契約上の年収130万円未満。勤務先が従業員51人以上なら106万円未満で安全圏
  • 働き損を避けたい:「年収129万円以下」または「160万円以上」の二択で計画する
  • 副業・メルカリ収入がある:売上ではなく所得(売上-経費)で判定。合計所得62万円以下なら税の扶養は維持
  • 2026年10月以降の変化:対象企業では「週20時間以上=社保加入」が新ライン。中途半端な労働時間を避け、短くするか長くするかを決める

次のアクションとして、まず直近3ヶ月のあなたの給与明細と副業売上を集めて、年収見込みを1つの数字にしてみてください。そこから逆算すれば、136万円で止めるか、160万円まで踏み込むか、判断が具体的になります。扶養は「言葉の壁」より「自分の数字」から先に組み立てるほうが圧倒的に早いです。

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出典

  • 国税庁「令和7年度税制改正の大綱」(配偶者控除・基礎控除の引き上げ)
  • 厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」(130万円判定の運用変更)
  • 厚生労働省「短時間労働者の被用者保険の適用拡大」(106万円の壁の見直し)
  • しゅふJOBナビ「2026年扶養内パートの年収の壁」(2026年7月更新)
  • SmartHR Mag.「2026年最新版 年収の壁」(106・130・136万円等の整理)
  • マネーフォワード クラウド給与「扶養家族の収入」(税と社保の判定の違い)

この記事を書いた人

みく フリーランスWebライター

Webライター歴5年 / 夫と二人暮らし。暮らしの固定費と時短をテーマに、公式データを調べてわかりやすくまとめています。電気代・ガス代・食費・引越しなど、忙しい人が最短で判断できる記事を目指しています。

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