2026年6月中旬、私(みく/フリーランスWebライター歴5年)は東京西部の1LDKで梅雨の部屋干しに困り、リビングエアコンの除湿モードを一晩8時間つけっぱなしにしました。翌朝の消費電力を電力会社アプリで確認したら、想定より安く約30円。ただし後日、同じエアコンで「再熱除湿」を試したときは同じ8時間で消費電力量が跳ね上がり、この2つが同じ「除湿」でも別物だと痛感しました。エアコン除湿の電気代は、方式によって最大約3倍の差が出ます。この記事では、東京電力技術開発研究所の実測データとダイキン公式FAQをもとに、弱冷房除湿と再熱除湿の1時間あたりの実額、梅雨と真夏での使い分け、部屋干しでの本命モードまで、一次データで解説します。
エアコン除湿の電気代は方式で最大3倍差|弱冷房除湿と再熱除湿の実測値
エアコンの除湿には大きく3つの方式があります。「弱冷房除湿」「再熱除湿」「ハイブリッド除湿」の3種類で、この方式の違いが電気代を大きく左右します。電力量料金の目安単価は、家電製品公正取引協議会が示す1kWhあたり31円(税込)を基準として計算しています。ダイキン公式サイトでも同単価が採用されており、家電カタログの年間電気代表示と同じ基準です。
東京電力技術開発研究所が実施した8畳エアコンの実測(設定温度24℃)では、1時間あたりの電気代は次の通りでした。
| 運転モード | 1時間の電気代 | 8時間(就寝中) | 1ヶ月(1日8時間×30日) |
|---|---|---|---|
| 弱冷房除湿 | 約4.1円 | 約33円 | 約984円 |
| 冷房 | 約11.0円 | 約88円 | 約2,640円 |
| 再熱除湿 | 約14.9円 | 約119円 | 約3,576円 |
弱冷房除湿と再熱除湿では、1時間あたりで約3.6倍の差があります。1ヶ月で計算すると、弱冷房除湿は約984円、再熱除湿は約3,576円と、その差は約2,592円にもなります。梅雨シーズンの3ヶ月間で見れば、方式の選び方だけで年間約7,800円の違いが出る計算です。
ダイキン公式FAQでも「消費電力の大小は再熱除湿>冷房>弱冷房除湿≒ハイブリッド除湿の順」と説明されています。冷房より安いはずの除湿が、方式によっては冷房より高くつくというのが、まず押さえておきたい前提です。
私が2026年6月中旬に一晩8時間の弱冷房除湿で約30円だった実感値は、東京電力の試算(8時間で約33円)とほぼ一致しました。一方、6月末に一度だけ試した再熱除湿は、体感で肌寒くなるほど室温が下がらないのに消費電力量だけがしっかり伸び、翌月の請求で「これは日常使いは無理だ」と結論づけました。数字とペルソナ体験、両方から「除湿=安い」は幻想だと言い切れます。
冷房と除湿はどちらが安い?梅雨と真夏で答えが逆になる理由
「冷房と除湿はどっちが安い?」に対する答えは、じつは季節と外気条件で逆転します。理由は、除湿方式の中で電気代が最安の「弱冷房除湿」が、外が暑くなればなるほど非効率になるためです。
| シーン | 外気条件の目安 | おすすめモード | 理由 |
|---|---|---|---|
| 梅雨(6月〜7月上旬) | 気温24〜26℃・湿度80%以上 | 弱冷房除湿 | 室温は下げず湿度だけ下げれば快適。電気代最安 |
| 梅雨明け〜真夏(7月中旬〜8月) | 気温30〜35℃・湿度60〜70% | 冷房 | 湿度より室温を下げないと不快。除湿では気温が下がりきらない |
| 初秋・肌寒い雨の日 | 気温22℃前後・湿度80% | 再熱除湿(機能があれば) | 室温を下げずに湿気だけ取れる。短時間限定で使う |
弱冷房除湿は仕組み上「弱い冷房」なので、外が32℃を超える真夏日に使うと、室温を28℃まで下げるだけで冷房より長時間の運転が必要になります。結果、電気代が冷房を上回るケースもあります。楽天エナジーの解説記事も「外気温が高い日は冷房のほうが省エネになる場合が多い」と紹介しています。
私は港区の1LDKに住んでいた2024年8月、電気代を怖がって夜のリビング冷房を切り除湿に切り替えたことがあります。結果は失敗で、朝方には室温が29℃まで上がって汗だくで目が覚めました。真夏の熱帯夜は、除湿ではなく素直に冷房で室温そのものを下げるのが正解でした。
逆に2026年6月中旬の梅雨時は、外気温25℃・湿度85%で、冷房を入れると寒くなりすぎるコンディションでした。ここで弱冷房除湿を使うと、体感が一気にラクになり、電気代も低く抑えられました。この体感の変化を数字で説明できるのが、湿度70%と50%の体感温度差で、湿度が20ポイント下がると同じ室温でも体感で2〜3℃涼しく感じるとされています。
部屋干しに除湿を使うと洗濯物は乾く|送風・エアコン除湿・除湿機の比較表
梅雨や冬場の部屋干しで、どのモードを使うと効率よく洗濯物が乾くのか。1回の乾燥コストと乾燥時間を比較すると、答えは明確です。
- エアコン送風:乾燥時間10時間以上、電気代約4円/湿気は取れない
- エアコン弱冷房除湿:6〜8時間、約25〜33円/湿気は取れる(室温も下がる)
- エアコン再熱除湿:4〜6時間、約60〜90円/強力(室温は維持)
- コンプレッサー式除湿機:3〜5時間、約30〜50円/強力
結論から言うと、エアコン送風は洗濯物を乾かす用途には向きません。送風は湿度そのものを下げる機能を持たないため、部屋の湿度が高い日は10時間かけても洗濯物がなかなか乾かず、生乾き臭の原因にもなります。送風の役割については別記事で詳しく解説しています。
エアコンの送風はほぼ電気代ゼロ|1時間0.4円でもNGな使い方
コストと乾燥速度のバランスで見ると、電気代重視なら弱冷房除湿の一晩運転、速さ重視なら除湿機(コンプレッサー式)が答えです。私は梅雨時、平日は仕事が終わってから洗濯を回すので、寝ている間に乾いていてほしいという理由で弱冷房除湿を選んでいます。金曜の夜に3日分まとめ洗いをする場合だけ、乾燥時間を優先して除湿機を追加で回すこともあります。

ちなみに衣類乾燥モードを搭載したエアコンもあります。パナソニックの「衣類乾燥モード」は部屋干しを最優先に運転するため、電気代は通常の弱冷房除湿よりも高くなる傾向があります。乾かしたい時間帯と電気代のバランスで、モードを切り替える運用が現実的です。
電気代を抑える除湿の設定4つ|温度・時間帯・併用グッズ
ここまでの数字を踏まえて、除湿を使う日に電気代を最小化する4つの設定をまとめます。
- 設定温度26〜28℃:1℃上げるだけで約10%の節電
- 自分のエアコンの方式を取説で確認:弱冷房か再熱かで運用がまるで違う
- 扇風機・サーキュレーターと併用:湿度センサー停止を防ぎ効率UP
- タイマー4〜8時間区切り:24時間ONは不要、就寝タイマー活用
1. 設定温度は26〜28℃を維持する
弱冷房除湿は「弱い冷房」なので、設定温度を下げれば下げるほど電気代が跳ね上がります。ダイキン公式でも、冷房・除湿ともに設定温度を1℃上げると約10%の節電になると案内されています。梅雨時なら27℃で十分快適に感じられます。
2. 自分のエアコンの除湿方式を取扱説明書で確認する
「除湿ボタン」1つで済むエアコンでも、内部は弱冷房除湿・再熱除湿・ハイブリッド除湿のどれかで動いています。2026年時点で再熱除湿と弱冷房除湿の両方を切り替えられるのは富士通ゼネラルとコロナの一部機種のみ。多くのメーカーは方式が固定なので、まず自分のエアコンがどの方式で動いているのかを取説かメーカーサイトで確認しましょう。
3. 扇風機・サーキュレーターで冷気と乾いた空気を回す
除湿運転中は室内の空気が動きにくく、湿度センサーがある壁際だけ湿度が下がって停止してしまうケースがあります。扇風機かサーキュレーターを一緒に回すことで、部屋全体の湿度が均一になり、除湿の効率が上がります。私は2026年6月から寝室用DCモーター扇風機を風量2(消費電力4W)で首振り運転し、リビングの弱冷房除湿で作った乾いた空気を寝室へ送っています。
サーキュレーターと扇風機の違い3選|1台兼用で年5,000円減
4. タイマーで4〜6時間区切りにする
除湿は24時間つけっぱなしにする必要はありません。梅雨時は洗濯物を干す夜の6時間、または就寝中の8時間だけの運転で十分に湿度が下がります。就寝タイマーを使い、明け方に切れるよう設定しておけば、無駄な運転を防げます。
除湿でも電気代が跳ね上がるNG習慣|梅雨時の落とし穴
逆に、除湿を使っているつもりが電気代を膨らませているNG習慣もあります。梅雨時にやりがちなパターンを5つ整理しました。
| NG習慣 | 電気代への影響 | 回避策 |
|---|---|---|
| 再熱除湿を常時ON | 1時間14.9円で方式中最高 | 肌寒い雨の日1〜2時間限定 |
| 設定温度20℃以下 | 運転時間が延び割高 | 26〜28℃キープ |
| こまめなON/OFF | 起動電力で相殺 | 30分以内の外出はつけっぱなし |
| フィルター目詰まり | 約5%消費電力アップ | 2週間に1回の掃除機かけ |
| 内部カビ放置 | 除湿効率が落ちる | シーズン前にクリーニング |
NG1:再熱除湿を常時ONにする
再熱除湿は電気代が最も高い方式です。肌寒い雨の日限定の短時間運転に留め、長時間の使用は避けるべきです。私も1度試して電気代が跳ねたので、それ以降は「梅雨の朝方の肌寒い1〜2時間だけ」に絞っています。
NG2:設定温度20℃以下にする
「早く湿気を取りたい」と設定温度を下げると、弱冷房除湿でも運転時間が延びて電気代が上がります。20℃以下では冷えすぎて、逆に冷房で28℃設定にしたほうが安いケースも珍しくありません。
NG3:こまめにON/OFFを繰り返す
エアコンは起動直後にもっとも電力を消費します。1〜2時間の外出でこまめに切ると、再起動時の消費電力で相殺されるどころか、切らないほうが安く済むケースもあります。ダイキン公式FAQでも、30分以内の外出ならつけっぱなしを推奨しています。
NG4:フィルターの目詰まりを放置する
フィルターにホコリが溜まると空気の吸い込みが悪くなり、同じ設定温度でも消費電力が増えます。目安は2週間に1回の掃除機かけで、これだけで最大約5%の節電になるとされています。
エアコンフィルター掃除の頻度は2週間に1回|手順と時短のコツ
NG5:カビだらけの内部を放置して除湿する
除湿運転は内部に結露を発生させるため、そもそもカビが生えやすい環境を作ります。カビだらけの熱交換器では除湿効率が落ち、電気代も余計にかかります。数年掃除していない場合は、シーズン前にプロのクリーニングを検討する価値があります。私は港区時代、送風も内部クリーンも意識せずにいたら吹き出し口に黒い点々が出て、プロのクリーニングを利用した経験があります。あの費用と手間を思えば、日々の内部乾燥習慣は圧倒的に安いです。
よくある質問
除湿と冷房、電気代が安いのはどっちですか?
方式によって逆転します。弱冷房除湿なら冷房より安く、再熱除湿なら冷房より高くなります。同じ「除湿ボタン」でも、メーカーや機種で内部の方式が異なるため、取扱説明書で自分のエアコンの方式を確認するのが確実です。
再熱除湿と弱冷房除湿を見分ける方法は?
取扱説明書の除湿機能欄に「冷房除湿」「弱冷房除湿」と書かれていれば弱冷房除湿タイプ、「さらら除湿」「再熱除湿」「カラッと除湿」などの表記があれば再熱またはハイブリッド方式の可能性が高いです。運転中に吹き出し口に手をかざして、冷風か常温近くの風かを確かめる方法もあります。
部屋干しで除湿を使うと臭いは取れますか?
臭いの元は雑菌の繁殖なので、乾燥時間を短くすることが臭い対策になります。弱冷房除湿の8時間運転で乾く量までがまとめ洗いの上限で、それ以上は除湿機の追加運転か乾燥時間を分ける工夫が必要です。
除湿機とエアコン除湿、どちらが電気代は安いですか?
コンプレッサー式除湿機の1回運転(3〜5時間)は約30〜50円で、エアコン弱冷房除湿の6〜8時間運転(25〜33円)とほぼ同水準です。乾かす時間の速さでは除湿機、部屋全体を涼しくしたい場合はエアコン除湿と、用途で使い分けるのがコスパ最強です。
除湿を24時間つけっぱなしにしても大丈夫ですか?
電気的には問題ありませんが、電気代の観点では非推奨です。弱冷房除湿の24時間運転で1日約100円、1ヶ月で約3,000円になります。梅雨時は湿度が高い時間帯(夜間や早朝)に絞って6〜8時間の運転で十分です。
まとめ|梅雨は弱冷房除湿、真夏は冷房で年3,000円減
エアコン除湿の電気代は、方式で最大3倍差が出ます。この記事の要点を振り返ります。
- 方式別の1時間電気代:弱冷房除湿4.1円/冷房11.0円/再熱除湿14.9円(東京電力技術開発研究所・8畳・設定温度24℃)
- 梅雨(気温24〜26℃・湿度80%以上):弱冷房除湿がベスト。冷房だと寒くなりすぎる
- 真夏(気温30℃超):除湿より冷房のほうが安い。室温を下げないと不快
- 部屋干し:電気代重視は弱冷房除湿(8時間で乾く)、速さ重視は除湿機(3〜5時間)
- 節約4設定:設定温度26〜28℃/方式を取説で確認/扇風機と併用/タイマー6〜8時間
私自身、2026年6月中旬に方式を意識して弱冷房除湿に切り替えたことで、リビングエアコンの月電気代を6,780円に抑えられました。冷房を我慢して古い運用を続けていた前年6月の同月比では、体感の快適さは上がったのに支出は下がっているという結果でした。方式を知っているかどうか、それだけで数千円が動きます。
次のアクションとして、まずはお手元のエアコンの取扱説明書で「除湿方式」を確認してみてください。弱冷房除湿タイプなら梅雨時の主力に、再熱除湿タイプなら短時間限定で使う運用に切り替えるだけで、年間3,000円前後の電気代が変わります。真夏の電気代全体を見直したい方は、こちらの記事も参考になります。